谷口暁彦 個展『滲み出る板』を見た

谷口暁彦 個展「滲み出る板」 | Akihiko Taniguchi solo show “board ooze out”

会場のみどり荘が仕事場(松本弦人さんの事務所)のごく近くだったので鍵っ子といっしょに昼休みに歩いて行った。みどり荘自体がなんか味のある古いビルでおもしろかったのだけど、そういえば前の個展「思い過ごすものたち」の会場もすごい変なところで、夜ほんとうにここでいいのか不安を感じながら潰れた居酒屋のようなギャラリーに侵入したのを思い出した。

展示はここのところ谷口さんが使うモチーフ(食べ物や食器の高精細画像、フォトリアリスティックな3D空間と3Dスキャンされたスケールの狂った3Dモデル、天から吊られたiPadに映るカーテンのCG映像とそのiPadを揺らす扇風機)が混ざったような作品群と、中央に置かれた「滲み出る板」らしき作品。30度づつくらい往復回転している板の片面に作られた模型を撮したカメラの映像をもう片方のなにもない面にプロジェクターで映してあり、正直これだけ見るとどういう作品だといっていいのかわからない感じだったけど、コンピューターなしで(他の作品で使っている)CGみたいなものを作ろうとしているのかなとちょっと思った。


平倉圭×細馬宏通+畠山宗明「ゴダール、3D、そして運動――映画にとって「深さ」とはなにか?」を聴いた

平倉圭×細馬宏通 司会:畠山宗明「ゴダール、3D、そして運動――映画にとって「深さ」とはなにか?」@hirakurakei @kaerusan @gilledwhale | Peatix

楽しみにしていたトークイベントだけど、期待どおりすごく面白かった。平倉圭さん(不勉強ながら僕は今回初めて知ったのですが)がゴダールの映画のディテールやそれに対する細馬さんの分析について、本当に楽しくてたまらない、興奮が抑えられないというかんじの話しかたをされる方で、その平倉さんの熱狂を空回りさせないで絶妙のコメントでテンションをつなてていく細馬さんと司会の畠山さん三者のトークがほんとうに息があっていて音楽のライブのような快感があった。

同一カットでの複数の運動を多層化させることで現実とは異なるリアリティを構築するという映画の歴史が獲得した撮影と編集の技法を(3D以前でさえも)徹底的に推し進めたゴダールが、カメラや観客の視覚体験そのものが多層化された3D映画において何をしているのか。何がどう変で、どこまで意図されているのか。現実世界では同じような平面として認識される鏡とモニターが、3D映画のなかではまったく異なる「深さ」を持つことをさまざまなかかたちで見せているという指摘がすごくおもしろかった。後半の物語にまつわるメタファーの展開(犬・フランケンシュタイン・映画/自然・テクノロジー・編集)も圧巻だった。


『赤瀬川原平の芸術原論展』図録を(広島市現代美術館ミュージアムショップ通販で)買った

赤瀬川原平の芸術原論展/1960年代から現在まで - 広島市現代美術館

「芸術原論展」は千葉市美術館での開催中になんとか見に行けたんだけど、当然ながら図録は完売していて手に入れられなかった。なんとか買えないかなと思っていたら、3/27から始まった広島市現代美術館での巡回展に分配分が残っていてミュージアプショップの通販で購入できる(かも)という話を聞いたのでメールで問い合わせたら購入できた。

図録購入方法 - Hiroshima MOCA SHOP

まだぱらぱら見ただけだけど、赤瀬川さんの多面的な作品や仕事を図録というよりは雑誌の特集のように(しかしものすごい物量で)楽しいレイアウトでまとめてあって、やはり同じく大岡さんチームで手がけられている海洋堂関係のデザインワーク(とくに『海洋堂クロニクル』)と通じる感覚があるなと思った。あとでじっくり読もう。



テーマテンプレートからシングルページを作るだけのHexoプラグイン

archivesページを整える[2015/01/28]1のときにいまいちな感じにしていたサイトの構成をちゃんとするために、Hexoのgeneratorプラグインをつくった。標準のpageと同じ感じだけど専用のレイアウトテンプレートでヘルパーを使って内容が更新されるページが作れる。

これを使ってHighlightsをまとまった読み物が並ぶページにして、Archivesはもとに戻した。

ちなみにこないだ作ったmonthly_post_listもあげてある。


ブルボン小林『マンガホニャララ』を読んだ

マンガホニャララ (文春文庫)
ブルボン小林
文藝春秋 (2013-04-10)
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ブルボン小林さんのコラムは上手すぎてなんか落ち込むのであえて読まないようにしているけど、うっかり読んだ。ひとつひとつのコラムで毎回「マンガとは◯◯である」というテーゼの提出とともに新しい褒め方を発明しながらどちらかといえば日の当たりにくいマンガたちを擁護するマンガ評論集。うまいなー。

「3×3 EYES」の序盤は優れていたことを特記したい、というのになんだか一番はっとした。中学生のころに読んだきりだけど再読してみようかな。


NHKドラマ『LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと』を観た

LIVE! LOVE! SING!|NHKオンライン(http://www.nhk.or.jp/livelovesing/)

教師と交際している(つまり誰よりも早く大人になりたいと思っている)女子高生とその教師。風俗で身を立てる少女。言葉を発しない引きこもり(気味)少年。いじられキャラの朴訥とした少年。そして20年めの神戸と4年めの福島。この何からも逃げないみたいなドラマを3月10日に放映するのがすごいな。

内容的にはやや予定調和的な後半よりひりひりする前半がよかった。


『GEIDAI ANIMATION 06 DAWN 東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻 第六期生修了制作展』を観た

GEIDAI ANIMATION 06 DAWN 東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻第六期生修了制作展

いつ行こうかなとおもったのだけど、榊原澄人さんのトークがあるという最終日にした。最終日だからか劇場は満席。ひさしぶりにアニメの上映会に来た感じがあった。

作品もなんというか「いいもの観た感」がある作品が多くて幸せな気分になった。好みでいうと、坂上直「その家の名前」(廃墟になった日本家屋の畳や障子、襖たちが自らを解体していくピクシレーション!)、幸洋子「ズドラーストヴィチェ!」(タイトルがどうしても覚えられない。奇妙なおじさんとの出会いを描いた明るく自由なアニメーション)、中谷由紀恵「I’m here」(音楽環境創造科の上水樽 力さんとの共同監督だそう。音楽と動きが協同するアブストラクトアニメーション。5.1ch版も聴いて/観てみたい)などが好きだった。

榊原澄人さんのスペシャルトークはちょっと短くて拍子抜けな感じではあった。新作シリーズの「É in MOTION No.2」は円周パノラマスクリーンでのループ上映のための作品とのことでタナカカツキさんの「イエス☆パノラーマ!」を思い出していたらちょうどカツキさんと対談したという告知もしてた。


結城昌子『原寸美術館』を読んだ

原寸美術館 画家の手もとに迫る
結城 昌子
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レーズン大統領こと猫ちゃんこと林さんがツイートしていたのを見て図書館で借りてみた。いわゆる歴史的なド名画の「実寸大の部分トリミング」を収録することでよく知ったつもりでぼんやりとしか知らない作品の「手仕事の魅力」を伝える本。こういう本をみると紙のとくに大型本のちからはものすごいなと思う。

どのくらい実寸なのかというと、こういうマクロ図があるくらい。

大判で等身大以上に描かれた人物画を実寸で見るのはほんとうにくらくらする体験なのだとわかった(美術館で見るより本で見るほうが間近になるのでそのせいもあると思うけど)。10年前の本だけどこれは素晴らしい。


LING MENG『SPECIMENS OF TIME -時間の標本-』を観た

SPECIMENS OF TIME -時間の標本-

DIESEL ART GALLERYでやってるLING MENGさんの展示「SPECIMENS OF TIME -時間の標本-」を観た。自然物や自然の法則を標本のように定着させた作品の展示。もともとプログラマーなのだそうで、葉っぱや樹の枝を集めて並べただけの作品でもなんとなくジェネラティブな作品ぽいというか、やっぱ自然ジェネラティブアートうまいなとか転倒した感想を漏らしてしまいそうな「こうなっていてほしい」というコレクションになっていてなかなか気持ちよかった。