上田慎一郎『カメラを止めるな!』を観た

映画『カメラを止めるな!』公式サイト


評判を聞いて見に行ったんだけど、評判通りすばらしくおもしろかった!

耳に入ってくる「超低予算だけどワンアイデアでヌケの良い作品」という評判にわれわれがイメージするものをひとまず及第点の形で提示して、それをまさにヌケの良い形で裏返して、さらにそれにしっかり熱狂してしまうという構造そのものもずっぽり抜いて見せてくれるという、僕はいわゆるネバネバ耳垢タイプの人間なので味わったことないんだけど、耳の穴の形がわかるようなでっかい耳垢が取れたときの快感というのはこういう感じなんじゃないかと思うような映画だった。


tampen.jp『アニメーションの<いま>を知る――「キャラクター」という宇宙』を観た

tampen.jp主催の「キャラクター」をテーマにした上映会が東京・渋谷で開催 | tampen.jp


上映作品が面白そうだったので(あと上映会場に馴染みがあるので)観に行ってみた。

最初にtampen.jp主宰の田中さん(だったかな)からこの上映会の趣旨についての解説があったんだけど、その話が「村上隆以降ポップアートとしてのキャラクター表現が一般化した結果、アニメーションの世界でもそうした表現が用いられるようになった」のだというところから始まったのがなかなかおもしろいなと思ったんだけど、もともと村上隆がアートの文脈に持ち込んだ日本のオタク的表現の多くはアニメーションからの引用なので、アニメの表現が美術を介してアニメに再導入されているというか、オーバーダビングみたいなことになってるんだよなと思った。少なからぬ作品に幽霊感というか、不穏なものを感じたけどオーバーダブ感と関係しているのかもしれない。

よかった作品を一つあげるなら前田結歌『正太郎』だったかな。グラフィックツールによるエフェクトがツールのインターフェイスも含めてあからさまに作品に取り入れられているのが新鮮で、アフタートークではポストインターネット的と言及されていたけど、アニメーションとしてはオイルペインティングのような効果にも見えるなーと思った。


デイヴ・マッカリー『ブリグズビー・ベア』を観た

映画『ブリグズビー・ベア』公式サイト


観てきた。こういう映画かー! これは泣くしかない。フィクションの世界がフィクションの力そのものによって救いがおとずれるタイプの作品(映画の中で映画を撮る映画)のなかでもかなり恣意的なシナリオなので、下手をするとすごいしらける作品になる可能性もあったはずだけど、すべての瞬間が愛おしい奇跡のような映画になってた。

80年代ポップカルチャーオマージュの作品でありながら、オタク的な固有名への言及や目配せが(僕が目につくところでは)ほとんどないという潔さのなか、呪縛の象徴である主人公の誘拐犯役にマーク・ハミルを起用して映画史とポップカルチャー史に接続するという鮮やかさにもしびれた。


森達也『A』『A2』を観た

ずっと見逃していたんだけど、奥さんが借りてきてたのを観た。やっぱり死刑執行されたタイミングだからか『A』はすべて貸出中だったとかで『A2』を先に観て、なんかわりとほのぼのしてるなー(上祐出所後の事務所に右翼団体がカチコミに来るとこはちょっとピリッとするけど)と思ったんだけど、あとで借りられた『A』は全然雰囲気が違った。『A』は96年ごろからのドキュメントだからそりゃそうだよね。

ただまあ『A2』の雰囲気のほうが日本のドキュメンタリーという感じがあって嫌いじゃなかったな。


21_21 DESIGN SIGHT『AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展』を見た

21_21 DESIGN SIGHT | 企画展「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」 | 開催概要 http://www.2121designsight.jp/program/audio_architecture/


見てきた。平日の開館直後だったので人がまばらで堪能できた。真夏の朝から暗い会場に入ってごく短い刺激的な映像作品を立て続けに何本も見続けるという体験は僕からするとアニメーション映画祭(具体的には広島国際アニメーションフェスティバル)に参加したときのそれに近くちょっと懐かしい感じがあり、そう思ってみると参加作家も商業すぎずアートすぎずキャラクター性がありながらも新鮮な「動き」を探求する人たちが集められていてこれはアニメーション映画祭だったのでは? という気がしてきた。

映像作品はほんとにどれもよかったけど(また観に行きたい)、学生時代からその成長を見てきている水尻自子さんの新作を見られたのはうれしかったな。あの風船に風で飛んだティッシュ(?)が引っかかるカットにははっとした。


是枝裕和『誰も知らない』を観た

誰も知らない | 映画 | WOWOWオンライン


WOWOWで録画してあったやつ。観たことないけどと思いつつなんとなく気分が向かなかったけど、この流れでようやく観た。評判どおりこれは名作。持ち味を引き出されている子役もすごいけど母親役のYOUのアトホーム感が(とそのまま帰ってこない感が)すごかった。でも後半の展開はちょっとファンタジックすぎかなーと『フロリダ・プロジェクト』との比較もあって思った。

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ドメインをHTTPS化した

GitHub PagesでホストしているこのblogはHTTPS対応していると思いこんでたんだけど、最近自分でアクセスしてみたら警告が表示されたのでげげげと思って対応した。

とりあえずカスタムドメインの GitHub Pages で HTTPS を使うを参考にCloudflareを挟むことで警告を出なくした。5月からカスタムドメインでもHTTPSサポートされたはずでちゃんとすれば特別なことをしなくても警告はでないんじゃないかな…


ショーン・ベイカー『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』を観た

映画「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」公式サイト 2018年5/12公開


映画の日に。結構なロングランだと思うけどまだ(映画の日とはいえ)けっこう人が入っていた。

まさに夏休み映画というか、永遠に続くような暑い夏にうろうろする子供の時間の感覚がとても自然に描かれていて好ましい。と同時に「フロリダ・プロジェクト」こと夢の国の隣のネオンパープル色の安モーテルでぎりぎりのバランスで保たれていたその平穏が、どうにもならない貧困という現実により無残に終わる様子を映画の2時間を使ってものすごく丹念に描く恐ろしい映画でもあった。僕はどっちかというと後者のほうにチューニングしてしまい胸がつぶれる思いだった。


NHK教育『ことばドリル』

ことばドリル [国語 小1~2]|NHK for School


小1次男が夕食中急に「国語の授業で見たおもしろい動画が見たい」と言い出してなにそれと思って調べたらこれだった。2014〜6年にNHK教育でやっていた番組みたい。こういうNHK教育のちょっとマニアックな趣味の学習番組昔よく見たけど、対象年齢の子供に見せるのは別の趣があっていいな。ちゃんと子供が番組の狙い通りの反応するのがよかった。

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山本崇雄『なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか』を読んだ

なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか - 日経ビジネス 別冊書籍・ムック・増刊のご紹介


ガビンさんと話をしてて山本先生のことが話題に出てきたので買って読んでみた。いわゆるアクティブラーニングの成功ケースが具体的に載っていておもしろい。グループワークの資料を配らずに四方の壁に貼って、資料まで移動して読む→グループで自分が理解した内容を説明するという活動にすることで「他人のために自分が動く」という動機を授業に組み込む方法(ジグソー法というらしい)はなるほどと思った。

ただこういう授業スタイルをプログラムの授業に持ち込むのはどうしたらいいのかなー。ペアプロとかはちょっと検討したこともあるけど、ほぼ何もできない二人でペアプロはちょっと無理っぽいよなーと思っている。ほかになにかやり方があるかな。