『フリップフラッパーズ』を観た

TVアニメ「フリップフラッパーズ」公式サイト

気になっていたところでAbemaTVの一挙放送がはじまったところのツイートを見かけて一気見した。

ジャンルとしては魔法少女もののカテゴリになる、のかな? というのはジャンル需要にあてこんだルーチン的な作品ではなくて、なんというか、クリエイターがその個性を最大限発揮することを目的とする、かつてならOVAで展開されていたタイプのアニメーション作品なのかなと思った。絵柄や色使いの個性の強さ(アニメというより少女漫画を感じさせる)も含めとっても好ましい。

あと思ったのは、TVアニメって作品の傾向やら作画の感じと過去の視聴経験から「何曜日の何時頃やってそうなアニメ」という連想が浮かぶことがあるんだけど、これはフジ系列の日曜6時台か7時台かなーという感じがした。個性の強いオリジナル作品というのでタツノコ枠っぽい感じがしたのかも。


原恵一『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』を観た

百日紅Miss HOKUSAI [Blu-ray]
バンダイビジュアル (2015-11-26)
売り上げランキング: 35,984

これもよかった。キャラデザインやビジュアライズの方向性は最初んー?と思ったんだけど、観てるうちにファンタジーとしての江戸物語として納得できた。

生まれつき盲目だという弟の芝居はちょっと疑問だったかな。橋をくぐるときに振り返ったりするもんなんだろうか。


amazonビデオで『Re:ゼロから始める異世界生活』を観る


なんとなく信頼できる筋で評判な雰囲気を感じたのでamazonビデオで観た。いわゆる「なろう系」の作品に触れるの初めてかな。なろう系がなろう系を生むような純血化が進みすぎてなろう系の主人公が自分がなろう系の主人公であることに自覚的な感じなのかーと思っていたらそこは導入で(というか導入を気持ちよくショートカットする方便で)、そこから先はキャラクターのアンサンブルと見事なシリーズ構成でぐいぐいおもしろくしてあって一気に22話まで観た。

あれだな、いわゆる死に戻り能力設定は時間的空間的に展開を発散させないで限られた登場人物のキャラ描写だけを重ね書きできるところがいいんだなといまさらのことを思った。原作のほうも読んでみようかな。


トム・ムーア『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』を観た

映画『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』|8月20日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー


観てきた。再オープン後のYEBISU GARDEN CINEMA初めて。椅子が大きくて快適。

映像のデザイン性や魅力は素晴らしくて、とくにキャラクターがゆっくり動くシーンが神話的な美術設定とあいまって印象的だったんだけど、ストーリーはおとぎ話なので展開の推進力がなくて眠すぎた…良くも悪くもアニメーション映画祭でプレミア上映を観てる感じがあった。

やっぱり午前中に見ればよかったな。最近仕事帰りに映画観ても集中力なさすぎて時間の無駄感がすごいのでなんとかしたい。



アニメ版『すべてがFになる』を観始めた

TVアニメ「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」

ちょうど直前にあった飲み会でそのへんの話題になって、「伊藤計劃とか森博嗣とかの作品ってビジュアライズされないことで成立する美学で構築されてるとこがあるから、映像化作品が成功するの難しそうだよなー」というような話をしていたのもあって、気になったので録画して観てみたら、意外といい感じだった。

なにがよかったかというと、全体のトーンがあんまキメキメじゃないほうに寄せてあるというか、僕はもうちょっと原作に耽美的なイメージを持っていたんだけど(いま確認したらドラマ版はどちらかというとそっちに振ってあったのかもしれない、見てないけど)、オープニングとかキャラクターデザインなどふくめ、いい意味で期待値を下げていて飲み込みやすかったんだと思う。とくに犀川教授がどっちかっていうとださいのがいい。地方大学の教授感があるというか。まあこれはそもそも僕が森博嗣を読んでたのが大学院生時代のみなのでそのころの記憶と結びついているからかもしれない。

それでいうとエンディングはややクールな世界観をキープしていてむしろ浮いているようにも見えるけど、あれはあれでウインドウのウィジェットがmotifぽくて90年代の工学部研究室マシンのデスクトップ感があったのがよかった。


『氷菓』に出てくるなんかへんな家みたいなの

Dアニメのラインナップにあったので『氷菓』をあらためて観ている。前も書いたけど(ロケ地が近所の映像を観るとアガる問題)アニメ版の氷菓はロケ地が母校の高校でしかも舞台として何度も出てくる図書館とか校舎の別棟はひじょうに思い出ぶかく、背景美術がロケハンした校内をほぼ100%再現しているのがよくわかって一般的でない意味でおもしろく観られる。

第2話「名誉ある古典部の活動」をみててこれが気になった。

これ。このなんかへんな家みたいなの。これねー。これ僕が在学中も図書館にあってこの煙突のとこにうちわがささってる佇まいも含めそのまま記憶に残ってるんだけど、これなんのためのものだっけ? 

僕が高校生のころの図書館のレイアウトだとこの摩耶花の奥のところに本の返却ボックスがあったはずで、この家みたいのがそれだったかなと思ったんだけど、ちょっと返却ボックスとしては取り出し口が小さすぎて無理があるので違うと思う。あらためて考えてみて、図書館に入れて欲しい本を紙に書いてリクエストする制度があったので、それのポストだったかも、とも思ったけど確信が持てない。京アニの美術の人はたぶん取材した図書館の写真をそのまま描いたのだと思うけど、これ何かわかって描いてたのかな?

ちなみに僕が高校2年のとき(だったかな?)小池さんという図書館の司書の先生が赴任してきていろいろお世話になっていた。小池さんはいわゆる「図書館の自由」を体現するようなパワフルな先生で(当時申し出れば見てもよいとマドンナ「Sex」とか「Santa Fe」とかを閉架こと司書の机の引き出しに保管していた)、「氷菓」の背景でもそこここにみられるスチレンボードを文字を切り抜いて作ったようなディスプレイはそのころに小池さんが全部つくったもののはず(それが10数年以上そのまま使われてるのね)。


すずさんからの葉書

映画「この世界の片隅に」公式サイト

こうの史代原作の漫画『この世界の片隅に』の映画化プロジェクトというのが進んでおり、春にそれの制作支援プロジェクト(いわゆるクラウドファンディング)に参加した。支援の申し込みをしたときに特典としてすずさん(漫画の主人公)からの手紙が届きますというのがはいっていたのは認識していて、ただそれがどういったかたちで届くのかは想像していなかったというか、想像したとしてもまあ制作の進捗を伝えるファンクラブ報的なものが送ってくるのかなくらいのものだったと思う。しかし実際にはまったくこれ以上ないかたちで「すずさんの手紙」が届いた。

実のところはすでにtwitterなどで先に届いた支援メンバーの人たちの話題を見ていたのでそれほど驚けなかったのが残念だったんだけど、その葉書には映画がどうとか漫画がどうとか支援メンバーがどうといったことは本当に一言も書いてなく、昭和十九年の葉書を模した体裁で、呉に嫁いだ北條すずさんが鉛筆で近況を自分に宛てて書き綴った葉書としてしかも実際に呉の消印(風景印)が押されて届いたものだった。きわめて親密な内容をつたえる葉書に見えるので家族に誤解されたという声がいくつもRTされていたけど、実際うちでも受け取っていた奥さんに「それ誰から?」と聞かれた。ややあせりつつこれはこれこれこういう映画の支援特典で…という話をしてみて、これは葉書というメディアの特性(と古式ゆかしさ)を活かして、支援者への特典でありながら支援者の周囲も巻き込むことも兼ねたキャンペーンにもなっているのかなと思った。偶然かもしれないけど、クラウドファンディングの支援者を通じてさらに支援者を増やす形としてもおもしろい試みになってるんじゃないかな。

いくつもの通信手段のなかでも郵便はがきはとりわけそのメッセージが宛てられた個人以外の周囲に「漏れる」ことが容認されたメディアだという細馬宏通『絵はがきの時代』のイントロダクションを思い出した。それともちろん『親愛なる』も。『親愛なる』は当初葉書を模した本の表紙をそのまま宛名として(つまり本を葉書として)送るというプランで進んでいたのだけど、諸処の都合で断念してしまったのは今ならながらに残念だったな。葉書として送っていたら「漏れた」メッセージがまた別の物語を生んでいたのかもしれない。

絵はがきの時代
絵はがきの時代
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細馬 宏通
青土社
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水島努『SHIROBAKO』を見終わった

TVアニメ「SHIROBAKO」公式サイト

見終わった。あらすじから想像されるような内輪受けに終始する感じではなくて(内輪受けとかパロディももちろんあるけど)、いわゆる職業小説というかある(しかも地味な)専門職を丹念に描写する、というのを最後まで完遂しててすごかった。全編通じて話をズルく進めるところがひとつもなくて、とにかく「なんとかする」過程が克明に描かれるというところが、「なんとかする」のが好きなタイプの人に受けるだろうと思う。


『GEIDAI ANIMATION 06 DAWN 東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻 第六期生修了制作展』を観た

GEIDAI ANIMATION 06 DAWN 東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻第六期生修了制作展

いつ行こうかなとおもったのだけど、榊原澄人さんのトークがあるという最終日にした。最終日だからか劇場は満席。ひさしぶりにアニメの上映会に来た感じがあった。

作品もなんというか「いいもの観た感」がある作品が多くて幸せな気分になった。好みでいうと、坂上直「その家の名前」(廃墟になった日本家屋の畳や障子、襖たちが自らを解体していくピクシレーション!)、幸洋子「ズドラーストヴィチェ!」(タイトルがどうしても覚えられない。奇妙なおじさんとの出会いを描いた明るく自由なアニメーション)、中谷由紀恵「I’m here」(音楽環境創造科の上水樽 力さんとの共同監督だそう。音楽と動きが協同するアブストラクトアニメーション。5.1ch版も聴いて/観てみたい)などが好きだった。

榊原澄人さんのスペシャルトークはちょっと短くて拍子抜けな感じではあった。新作シリーズの「É in MOTION No.2」は円周パノラマスクリーンでのループ上映のための作品とのことでタナカカツキさんの「イエス☆パノラーマ!」を思い出していたらちょうどカツキさんと対談したという告知もしてた。