『ゲンロン7』を読んだ

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例によって新刊が出る前にとがんばって読んだ。前号に続いてロシア現代思想特集でまとめてロシアに関する論考を読んでるうちにちょっとロシアに親近感が増してきたかも。いち観光客としてテキストからのぞき見るロシアには精巧につくられた偽史や幻想文学のような、描かれていない歴史の厚みをふくめた重厚な虚構を読むような酩酊感を覚えてくらくらするんだけど、それが現実の隣国だということに二度目の驚きがある。イリヤ・カリーニン『魚類メランコリー学、あるいは過去への沈潜』とかいまだにこれ本当の話なの? と疑ってる。

許煜『中国における技術への問い——宇宙技芸試論 序論(1)』や山下研『イメージの不可視な境界——日本新風景論序説』もおもしろかった。