スティーブン・レビー『ハッカーズ』を読んだ
読んだことなかったんだけど、絶版になってないのを知ったので買って読んだ。
評判通りたいへんおもしろかった。オリジナルコンピュータハッカーの誕生譚、ハッカーが自分たちにとっての自由——自分が占有できるコンピュータ!——を手に入れるために広げた「ホームブリューコンピュータ」というムーブメントとそこから立ち上がったパーソナルコンピュータの創世記でありつつ、コンピュータゲームビジネス勃興記の狂瀾を生々しく記録した本でもある。第三部のシエラオンライン社をめぐるドキュメントは、いわゆる「ヤングファミリー興亡史もの」の色合いが濃くてぐっときた。それにしても、「シエラオンライン」ってゲーム会社の名前は昔からパソコン雑誌で聞き覚えがあったけど、その「シエラ」がこの今文章書いてるコンピュータのOSの名前と同じくシエラネバダ山脈に由来していたのにとんと気づいてなかった。
あとこの本の記述だとハッカーが性向として持つ脱社会性とヒッピーカルチャーは近接する部分はありつつもわりと明確に線を引いているのが興味深いなと思った。