タリーズでかえるさんと会った

いつものように新宿3丁目のタリーズに入って、その日はこうの史代特集のユリイカを読んでいたところ、隣の席から「あの、ちょっと…」と声を書けられて向き直ると、そこにいたのはかえるさんだった。かえるさんこと細馬宏通さんは僕が学生のころから博覧強記でちょっとおかしなウェブサイト(the Beach!)を通じて知り一方的にファンだった人物であり、その後助手時代にデジオというインターネットひとり語りムーブメント(とmixi)を通じてほとんど会ってないのになぜか深く知り合うことになった知人であり、その後自分の結婚式の2次会ではギターの弾き語りライブをお願いした恩人でもあり、さらにはまさにいま読んでいたユリイカこうの史代特集に『週刊アクションの片隅に』という論考を寄せている人なのであった。こんにちは、おひさしぶりです。

かえるさんはバンド「かえる目」の4thアルバム『切符』レコ発ライブ2デイズのために上京してたまたまタリーズで仕事をしていたところだといい、それにしてもかえるさんを主語にして事実を書いていくとそれだけで愉快な気分になってくるなと思うわけだけど、ともかくいまかえるさんと会って話をするとなれば『この世界の片隅に』のこと以外になかった。かえるさんの身のまわりだとまだ『この世界〜』を観たという人も少ないのだそうで、いまのところ3回観ていると伝えると「じゃあいいよね」と、冒頭から最後の最後まで、『この世界〜』で目にしたあれこれについて打ち明けあうことに。というかおもにかえるさんの汲めども尽きない井戸のような注目点を圧倒されつつ聞かせてもらったというのが本当のところ。考えてみれば、昆虫・動物行動学にはじまり人々の日常のしぐさや会話に注目するのが専門で、アニメーション研究の著書もあり、戦前からの日本の文化風俗に明るく、瀬戸内界隈の土地勘もあり、さらには『あまちゃん』についての著書まであるというかえるさんほど映画版『この世界〜』を語るのにふさわしい人もいないのではないかと思った。

聞かせてもらったお話はネタバレを気にしなくてもよさそうなころあいでマンバ通信の連載に寄せるつもり、と聞いてたんだけどさっそく1つめが公開されていた(「アニメーション版「この世界の片隅に」を捉え直す(1)「姉妹は物語る」 – マンバ通信」)! 思ったより早い! しかし片渕監督とかえるさんの対談もどこかで実現してくれないものかなあ…