ジェーン・スー『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり』を読んだ

女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。
ジェーン・スー
文藝春秋
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買って一気に読んだ。女性誌連載が初出のコラムが多いからか女性向けの話題に固めてある本という印象が強いけど、相変わらずおもしろい。ひとのふるまいや世間の動きに隠された欲望を文章の論理性で削り出す力が抜群。

手料理の「手」という言葉づかいにあるわずかな意図の勾配から、対等でない関係(とりわけ男女の)を求める欲望が自分にもあると気づく「手のつく料理」がいちばん好きだったな。

手料理を褒められた結果として愛されることと、愛されるために手料理を作るのは同義ではない。頭では理解しています。が、自分を幸せにするためにあるこの手を、人から感情を引き出すためだけに使いそうな危うさが、私の中にもまだある。頭ではわかっていても、人を支配するために有り体をなぞって気に入られようとする危うさが。手料理というワードは、私にそんなことを気づかせてしまうのです。

「手のつく料理」p170ジェーン・スー『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり』