松井章『環境考古学への招待』を読んだ


おもしろいと聞いたので読んでみた。環境考古学は従来の考古学のように発掘された古代人の人工物(石器や土器、住居跡など)の分析、研究にとどまらず、そこに古代人が生活していたことの痕跡や環境への影響を地質学や生物学、古代文献などを統合して分析、研究し、形に残らない古代人の生活をあぶり出す学問。貝塚の話から始まるんだけど、貝塚は縄文時代の狩猟生活の跡としても重要なんだけど、貝殻と一緒に捨てられた骨などの生ごみが、貝殻のカルシウムによって土壌による分解から守られて残存有機物として発掘できることも大きいのだそうだ。とくに日本は風土的に有機物が分解されやすく、タイトルにある古代人のトイレ事情を推定するのもかなり難しい(土壌に保持される寄生虫の卵とか、食用されたと思しき草や花の花粉が集中しているかどうかなどで推定するらしい)とのこと。おもしろかった。