臼井 隆一郎『パンとワインを巡り 神話が巡る―古代地中海文化の血と肉』

パンとワインを巡り 神話が巡る―古代地中海文化の血と肉 (中公新書)
臼井 隆一郎
中央公論社
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ファンタジーから始まった小麦の話というまとめを読んでたらこの本が紹介されててふーんと思って読んだんだけど、なかなか変わった本でおもしろかった。人が生き残ることの原罪を象徴するものとして古代より羊など家畜の生贄とする儀式があり、それを象徴するようにキリスト教のイエス・キリストの犠牲が描かれ、その犠牲となった肉体の象徴として地中海文化におけるパンとワインがあり、そのすべてにギリシアの神々の伝説が関わっていると。神話の神々についてのエピソードはなぜか(というか原語に忠実なのかもしれなけど)「ヘーラクレース」みたいに妙に間の抜けた響きの名前が連呼されるのでほのぼのする。

パンの話なのもあるけど、文体で池田浩明『サッカロマイセスセレビシエ』を思い出した。