リーズ・エリオット『女の子脳 男の子脳 神経科学から見る子供の育て方』を読んだ

女の子脳 男の子脳―神経科学から見る子どもの育て方
リーズ・エリオット
日本放送出版協会
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こないだレナード・サックスさんのほうの本と間違えたデミさんオススメの本。こっちはかなり厚い本で、レナード・サックスさんをはじめとした、実際には再現性が怪しく反論を排除しきれていないややマイナーな研究を最新の脳神経科学で実証された事実としてセンセーショナルに紹介する論者を批判しながら、実際にはもっとずっと歯切れの悪い生得的な性差の根拠(とはいえそれは間違いなく存在する)を紹介しつつ、それよりずっと複雑で強力な性ステレオタイプのフィードバックループ(育児する側が常に「誇張された性差」を持った大人であるという事実)を丁寧に腑分けして有効なアドバイスをする、という本かな。

性差と教育について難しいのは、性差のステレオタイプと成長のためのロールモデルというのは表裏一体で、都合のいいどちらかだけを子供に見せるということはできないことなんだなと。本のなかで男子に読書に興味を持たせるための方法として、読書の好きな警官に制服で来てもらって読み聞かせをするというのが出てきて、ロールモデルを見せながらステレオタイプを調整する方法そういうのもあるのかーとおもしろかった。

家庭のなかで、男性と女性とが、どんなちがった生き方をするのが、家庭をリラックスする場とするのにいちばんいいか。それは、いまの父親と母親とが日々解決しつつあることだ。家庭を楽しくするために、父親は男の子に、男とは何であるかを教えている。母親は、女とは何であるかを、女の子に教えている。自分の生活からはなれて、「男らしさ」や「女らしさ」をおしえようとしてもだめだ。
言動、起居、服装の「男らしさ」「女らしさ」の教育こそ、ほんとうの意味の性教育である。親は、その責任からのがれられない。

松田道雄『育児の百科』 - 504 「男らしさ、女らしさ」