201806-summary

いまだ低調。


NHK教育『ことばドリル』

ことばドリル [国語 小1~2]|NHK for School


小1次男が夕食中急に「国語の授業で見たおもしろい動画が見たい」と言い出してなにそれと思って調べたらこれだった。2014〜6年にNHK教育でやっていた番組みたい。こういうNHK教育のちょっとマニアックな趣味の学習番組昔よく見たけど、対象年齢の子供に見せるのは別の趣があっていいな。ちゃんと子供が番組の狙い通りの反応するのがよかった。

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山本崇雄『なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか』を読んだ

なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか - 日経ビジネス 別冊書籍・ムック・増刊のご紹介


ガビンさんと話をしてて山本先生のことが話題に出てきたので買って読んでみた。いわゆるアクティブラーニングの成功ケースが具体的に載っていておもしろい。グループワークの資料を配らずに四方の壁に貼って、資料まで移動して読む→グループで自分が理解した内容を説明するという活動にすることで「他人のために自分が動く」という動機を授業に組み込む方法(ジグソー法というらしい)はなるほどと思った。

ただこういう授業スタイルをプログラムの授業に持ち込むのはどうしたらいいのかなー。ペアプロとかはちょっと検討したこともあるけど、ほぼ何もできない二人でペアプロはちょっと無理っぽいよなーと思っている。ほかになにかやり方があるかな。


朱戸アオ『リウーを待ちながら』を読んだ

リウーを待ちながら/朱戸アオ 第1話 横走へようこそ - モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ


これもBug-magazineの『汽水域の旅』で取り上げられてて読んだやつ(マンバ通信で前さんが紹介してた)。日本国内での致死伝染病(ペスト)のアウトブレイクをきわめてリアルに(漫画的な愛嬌も込みで)描ききった素晴らしい漫画だった。上中下の3巻で完結するところもポイント高い(人に薦めやすい)。

著者の朱戸アオさんのblogにある覚書で、医療関係者であったわけでも医学を専門的に勉強したわけでもない、一介の漫画家だと書かれていてそこもまったく予想外でびっくりした。


藤田祥平『手を伸ばせ、そしてコマンドを入力しろ』を読んだ

手を伸ばせ、そしてコマンドを入力しろ | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン


IGN Japanのレビューやコラム連載も楽しみにしている藤田祥平さんの初長編小説。『電脳奇譚(IGNのコラム)』などを読んでいてもこれどのくらい実体験でどのくらい創作なのかなと気になっていたけど、「半自伝的小説」と銘打たれたこの小説でもその多くが実体験からと思われる語りで構成されていて、ヴォネガット流と言えばいいのかな、世界に強烈なNOをつきつけらればらばらになった人間の諦観と、その魂が自分が生きるべきもう一つの世界を探す彷徨とをモザイクにしたような小説だった。とてもよいと思う一方でこういうスタイルの小説に感化されるには自分が歳をとりすぎてしまったなとさびしくも感じた。

奥さんによると、居間に置いてあったこの本を小5の長男が見つけ、ゲームに関係する話らしいことを了解して「これ読んでみようかな」と言ったのだそうだ。奥さんが帯の惹句(『母がリビングで首を吊ったとき、僕は自室で宇宙艦隊を率いていた』)に触れたらじゃあやめとくと引いたそうだけど、若くそして僕よりよっぽどゲーマーの素質がありそうな彼がこの本を読んでいたらどうなっていただろうか。


是枝裕和『万引き家族』を観た

是枝裕和監督 最新作『万引き家族』公式サイト


カンヌの受賞クレジットのある映画を久しぶりに観た気がした。おもしろかったけど、是枝さんの近作だと『海よりもまだ深く』が印象深くてそれは更新されなかった感じ。といいつつ『海よりもまだ深く』1回しか観てないのになんでそんな刺さってるのか改めて観てみたい。今作は樹木希林×安藤サクラのツーショット(の達人同士の手合わせ感)に尽きるかな。


よしながふみ『大奥』を読んだ

大奥


ゲンロン8のサイン会中継で激賞されてたので読んでみた。完結してるんだと思ってたらしてないのね。

どういう話かはなんとなく知っていたとはいえ江戸幕府のこともよく知らないしBL系の作品も読みつけないので最初かなり混乱したけど、だんだんと慣れて内容に没頭できるようになったらおもしろみが理解できるようになった。読んでみてわかったこととして、この作品の設定(ジェンダーロールが逆転した時代劇)やBL的な(といっていいのかよくわからないけど)恋愛描写の必然性に、漫画の記号性が関わっているんだなと思えた部分があって、服装や髪型での差別化が困難ななかで極めて微細な記号の差異で描き分けられるこの漫画のキャラクターの世界において、社会のなかで男女の立場が逆転するに至るSF的な考証とは別のレベルで性別は容易に反転しうるしもっというとあるキャラクターと別のキャラクターも容易に混同しうる、そういう不確定性もふくめたかたちの「恋愛」が描かれているんじゃないか。歴史が好きな人にはもうちょっと別の文脈があるんだと思うけどそんなことを思った。


『KNS目隠しラジオ』がいい

KNS目隠しラジオ|note


最近GbMのTシャツデザイン作業での過活動を経て「モ作」にアップグレードしたらしい鍵っ子が「今度デジオやりますよ」と言ってて、それがヌケメさんシシヤマザキさんとの3人番組『KNS目隠しラジオ』だったんだけど、それをようやく聞いたところすごい面白くて一気に全部聞いてしまった。

これ聞くまでわかってなかったんだけど(よく見るとnoteの最初に書いてあるけど)、「目隠しラジオ」というタイトルは単なるおどけたネーミングじゃなくて「パーソナリティ3名がそれぞれアイマスクで目隠しをした状態でトークする」という番組コンセプトをそのまま表したもので、番組第1回はその「目隠しをしたままトークをするという体験」についてのトークになっている。

KNS-2-1 初めての目隠し!プレ雑談|KNS目隠しラジオ|note

1回分のトーク(みんな目隠ししてるからなんだろうけど、10分ごとにタイマーを鳴らすようにして収録を区切っていくという番組のルールになっているみたい)全編、三人が三人とも目隠しトークという体験の予想以上のおぼつかなさにひたすら戸惑っているだけなんだけど、何故か番組として成立してるうえ圧倒的におもしろく、いきなりつかまれてしまった。ほかの回を聞いても思うけどお三方の相性のよさとおもしろいことに対する感度の高さ、そして共通する品の良さのようなものが出てるとこ(目隠しの効果によるものかは不明だけど)がこの番組のよさなんだろうと思う。続きも期待しています。


ウェス・アンダーソン『犬ヶ島』を観た

映画『犬ヶ島』 公式サイト


ウェス・アンダーソンの映画はあんまり得意でないというかもっと好きな人に譲りたいと思ってしまう感じだけど、今作はウェス・アンダーソンが日本(のデザイン)を題材にするとこうなるというところをリアルタイムに観られてよかった。日本語を扱ったグラフィックデザインとしてここまで濃さを感じるものを久々に見たんだけど、それでいてこれまで見知ってきたものとは何かが決定的に異なっていることも感じて冷や汗が止まらないみたいな。異星人にキャトルミューティレーションされるとこういう感覚になるのではないかと思った。


ジェーン・スー『生きるとか死ぬとか父親とか』を読んだ

ジェーン・スー 『生きるとか死ぬとか父親とか』 | 新潮社


読んだ。これまでの「『未婚のプロ』を名乗る謎の威勢のいい40代日本人女性、ジェーン・スー」というパーソナリティといっしょに打ち出されてきた著作とはあきらかに一線を画す力の入った一作。素晴らしかった。スーさんラジオで「もう私作詞なんてできない」とおっしゃっていたけど、なんのなんの、ドメスティックでプライベートでデリケートな風景から普遍的かつユーモラスな瞬間を選び出す眼差しや、タイトルの並びに、これまで以上に彼女の作詞家としての側面が浮かび上がっているように思った。