ナンシー・マイヤーズ『マイ・インターン』を観た

映画『マイ・インターン』オフィシャルサイト


ずいぶん前に録画してあったのを観た。熟年インターンの話なのはなんとなく知ってたけど、企業は主婦が立ち上げて急成長中のECベンチャーという設定なのね。ウェルメイドなラブコメ風味のお仕事もの映画として面白かったけど、「若さを手放して枯れた存在感を手に入れたいが、他方あらゆる分野においての『現役感』は保ちたい」という男性一般の矛盾した願望が全面的に展開されていて恥ずかしい感じもあるなと思った。監督男性かと思ったら女性だった。


グレッグ・コーズ『AlphaGo』を観た

AlphaGo


AlphaGoのドキュメンタリー、観たいなと思ってたらNetflixにあったので観た。感動的なドキュメンタリーだった。イ・セドルの「1勝で十分」という言葉が響くな。

第四の革命読んで以来、シンタクティックエンジンとしての人工知能と、セマンティックエンジンとしての人間の関係のあり方が気になっていて、AlphaGoについても人間と人工知能の対決というよりも、囲碁という表現において人工知能がすることに人間が意味を見いだそうとしている、という感じなのかなと思う。


大林宣彦『この空の花 長岡花火物語』を観た


早稲田松竹の新春上映で『この世界の片隅に』と二本立てでかかっていたので、未見だった『この空の花』を観に行った。評判は聞いてたけどたしか度肝を抜かれた。戦争、震災の熾烈さ、人間賛歌、そして人間による表現そのものへの賛歌。そのすべてをあまさず観客に手渡すために映画に許されるゲインを遙かに超えるセンチメンタリズムを入力された結果バグってる映画という感じだった。観客もバッファオーバーフローでハッキングされるんだと思う。

テンションが高まった結果、ここで帰るわけには行くまいと『この世界の片隅に』も続けて観ることになった。


大久明子『勝手にふるえてろ』を観た

映画『勝手にふるえてろ』公式サイト


今年の一本目からいい映画観れてよかった。ふつうなら間違いなく類型的なキャラクター造形になりそうな設定(10代の淡い初恋を引きずって妄想に逃げ込んでいる20代の地味な独身OL)を、とてつもない解像度の演技(とくに自意識の空回りを雄弁に伝える発声!)で痛々しくも愛らしい、まるで生身の人物のように演じてみせた松浦茉優はどれだけ賞賛しても足りない。妄想と現実が区別なく描かれる演出も完璧。

そういえば綿矢りさの原作をかなり前にiOSの単体電子書籍アプリで(モリサワのMCBOOK採用のアプリだったので研究用に)買ったけど未読だった。もう起動しない可能性が極めて高いけど動いたら読もう…


ベスト今年観た映画2017

まあいいかと思ってたんだけど、クロカワさんに聞かれたのでまとめておく。

とかかな。


過去の


今年観た映画そのほか


ジョン・キャメロン・ミッチェル『パーティで女の子に話しかけるには』を観た

映画『パーティで女の子に話しかけるには』公式サイト


空いた時間で予備知識なしに飛び込んだ映画だったので、想像してなかったものをみせてもらえてうれしい驚きだった。これはいわゆる、今しか撮れないエル・ファニングを結晶化した純粋な意味でのアイドル映画。この手の映画としてのポイントを押さえつつ(女優に変な格好や突飛な振る舞いをさせるとか、派手な化粧で歌を歌わせるとか)イタさがあんまなくほどほどにオシャレなので老体に深刻なダメージがこなくてよかった。


ケネス・ロナーガン『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を観た

映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』公式サイト


飯田橋ギンレイホール(初めて行った)で『LION/ライオン 25年目のただいま』との二本立てだったけどこっちだけ観てきた。

マンチェスターって聞いてイギリスのマンチェスターのことだと思い込んで観てたんだけど、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」はアメリカの町のほうだった。主人公の人生に起きたことをひじょうにゆったりとした演出で重すぎず軽すぎず描く映画で関心したんだけど、ギンレイホールのお客はなかなかファンキーで上映中最前席で好きに立ち上がったり、トイレなのか何度も席を外すので気がそがれる場面があった。しかもその席を外した場面が、まさに映画の中で主人公がうかつに家を留守にした結果彼の人生に深く影を落とすことになる決定的な出来事が起きるところだったという…



デヴィッド・リーチ『アトミック・ブロンド』を観た

映画「アトミックブロンド」公式サイト


映画の日に見逃してたのを観てきた。角川シネマ満員だった。

前半はなんか聞いてたのよりゆるいなーと思ってたんだけど後半の長回し(実際にはワンカットではないらしいけど)アクションからの恐ろしいほど緊迫感のある展開に顎が落ちた。ふつう前半にもうちょっとピリッとしたシーンがありそうなもんだけど温度差がすごい。


白石和彌『日本で一番悪い奴ら』を観た

映画『日本で一番悪い奴ら』 | 大ヒット上映中!


WOWOWで録画してあったのをようやく観た。テンポもいいしなんというか「リアリティのあるコメディ」として描かれていて最後まで面白く観れたんだけど、このほとんど『土竜の唄』みたいな荒唐無稽な話が道警の手口や経緯に関してはほぼ実話だという現実の重みもあって複雑な気持ちになる。抜けの良さと気持ち悪さがちょうどいいバランス。

公開当時たまむすびに綾野剛と白石監督がゲスト出演した回がおもしろかったのを思い出したので聞き直した。

関係ないけど綾野剛の印象と真鍋大渡さんに近いものを感じる。