『デジタルメディアと日本のグラフィックデザイン その過去と未来』を観た

Tokyo Midtown Design Hub | 東京ミッドタウン・デザインハブ | デジタルメディアと日本のグラフィックデザイン その過去と未来

最終日の閉館間際に駆け込みで見てきた。「計算を主な技法としたグラフィックス、インターネットなどのデジタル環境を活動の場としたデジタルメディア作品」というくくりで日本のグラフィックデザインに関わりのある作品を紹介する展示で、ここがある意味この展示のキモだったんだけどソフトウェアの作品は当時のマシン環境を可能な限り再現する形で動態展示していた。iMacもちゃんと最新モデルからボンダイブルーの初代iMacまで歴代モデルを使って当時の作品を見せていたり、さらにはClassic MacOS時代のフロッピー/CD-ROM作品もかなりオンボロながらも当時のマシンやデバイス(1ボタンマウス!)をちゃんと用意していた。以前この展示のキュレーターである永原さんが(メディア芸術祭でデジタローグ江並さんの功労賞受賞トークのときに)当時のマルチメディア作品を動かすマシンを保存していると言ってたので、そういった個人所有の貴重なマシンを借り出して展示したんだろうなと。

恥ずかしながらデジタローグのジョン前田作品とか「Popup Computer」とかは実動するものを初めて触った。おもしろいなと思ったのは展示構成としてデジタルメディアとグラフィックデザインの関係の歴史が70年代以前のプレデジタルメディア時代、80年代のCG時代、90年代のマルチメディア時代、00年代のウェブ広告時代と分けられていたんだけど、こう分けると90年代だけがパーソナルメディアがグラフィックデザインの舞台になっていたんだなと。実際には90年代以降はwebを通じたパーソナルメディア表現は行われていたし今もされているわけだけど、そういうのはこういう回顧展の枠に収めにくいということかもしれない。似たようなことは『路上と観察をめぐる表現史』の路上観察の歴史年表を見たときも思った(90年代以降、路上観察の文脈はwebページをメディアとして拡大していたと思うのだが、その文脈が年表にとらえられていないように思った)。