大澤聡 編著『1990年代論』を読んだ

1990年代論 :大澤 聡|河出書房新社


ある程度見取り図が把握できている第2部の文化パートより、第1部の社会・政治パート、とくに「心理」(松本卓也さん)「宗教」(太田俊寛)の論考が興味深かった。というか、90年代の「心理」と「宗教」がおもしろいものだったということかもしれないな。エッセイ系では五所純子さんのがおもしろかった。

さやわかさんの「排除のゲーム史」もテクノロジーの発展と併走することが当然視されるビデオゲームという文化では、メインストリームから「排除」されることからしか円熟が生まれないという逆説が語られていて納得したけど、90年代ノベルゲームの到達点とFPSによる一人称的な物語の円熟との関係は「ゲームエンジン」がデファクト化したところでの作品性の追求という共通点もあるよなーと思った。