青柳菜摘『黒い土の時間』を読んだ

青柳菜摘「黒い土の時間」 | 黒い土の時間


装丁国語の教科書っぽいなと思ってたのでランドセルの上で撮ってみた

kotaro tanakaさん(@doppac)がシェアした投稿 -


箱を開いた。ゆっくり箱を開いた。

家の中で飛び立つと大変なのでトイレの蓋を閉めドアを閉め、トイレをテーブル代わりにして箱を開いた。ゆっくり箱を開いた。小皿の上の半分に切られた巨峰の匂いがさっきまで篭もっていた匂いを放つ。日本酒を垂らしてあるからか熟した匂いが立ち込める。体を少し右に傾け、黒く墨を流したような、光を受けると青みがかる翅を下に向けている。裏側の少し地味な模様が見えた。

という冒頭ですでにしてふくらんだ僕の期待はすこしも裏切られず、最後まで興奮しながら読み終えた。ほんとうに素晴らしい。この小説にふれて息を吹き返した気持ちや感覚を自分の観察箱の黒い土に埋めておこうと思った。

なので「これは…」と思ったひとは間違ってないのでさっさと上のリンクから注文して読もう。あ、王子にあるコ本やという本屋でも売っているそう。