札幌国際芸術祭2017を見てきた

一昨年の沖縄、去年の長崎に続き、今年のゼロベース社の社員研修ワークショップ兼慰安旅行は北海道に行くことに決めたところ、ちょうど札幌国際芸術祭の会期でもあったので、芸術祭の作品を鑑賞して各自が受け取ったイメージからディスカッションを広げるというアートワークショップをすることになった。芸術祭見れてラッキーと思ったんだけど展示ロケーションの広範さはいかんともしがたく、僕はメイン会場のモエレ沼公園はあえて捨てて札幌芸術の森の展示を見た。

札幌国際芸術祭 – SAPPORO INTERNATIONAL ART FESTIVAL
(もう会期終わりですが…)

札幌芸術の森自体も行ったのは始めてで、旅行で訪れてゆったり過ごすにはぴったりの落ち着いたスポットで気に入ったんだけど(天候不順が残念だった)、芸術祭の展示もよかった。

タクシーで連れて行ってもらおうと思ったのに、迷い込んで山の中で降りることに

∈Y∋の作品『ドッカイドー/・海・』は、けっこうな広さの展示ホールを完全な暗闇にして、床や壁に蓄光塗料で書かれたおびただしい光点の海(・海・=ドッカイドー)を見るという展示で、たぶんだけど、入場タイミングでの塗料の発光の強さで作品の印象がだいぶちがうんじゃないかな。僕は公開時間(1時間ライトで蓄光してその後1時間公開、というローテーションだったみたい)の最後の10分で滑り込んだので、暗闇に目が慣れるまでの異様に長く感じる時間を経てホールの空間に横たわるわずかな光の群れに気づくまでがスリリングだった。蓄光完了直後も見てみたかった。

クリスチャン・マークレーの映像作品もよかった。初期のレコードを物質的に扱うパフォーマンス映像の作品からリサイクル工場の映像シリーズ、最新シリーズだという道路に捨てられたゴミ(ガム、吸い殻、ドリンクのキャップやストロー…)の写真がアニメートされた映像作品まで、芸術祭のテーマと合わせて説得力が生まれる展示になっていた。とくに街路で踏まれて模様のようになったガム跡のラッシュが星空のようにも顕微鏡写真のようにも見え、やがてそのなかのひとつのガムがアメーバのように動き始めたかと思えばクローズアップされていくとフレアを吹き出す恒星のようにも見えていく『Chewing Gum』は最高で、しかもちょうど直前に見た『ドッカイドー』とも関連が感じられて楽しかった。

他の作品もちょっとづつは見れて、芸術の森のを往復してもらったタクシー運ちゃんの語り草になるぼんやりさ加減もあり全体的にとても楽しめた。期待していた毛利祐子さんの展示が当日非公開日だったため(札幌市立大学が受験日だったみたい。なぜこの時期受験?)見れなかったのは残念至極。そんな感じで朝〜午後1時まで芸術祭を見て回って、午後は最近ゼロベースに入社したイガラシさんのファシリテートで、芸術祭や芸術鑑賞の体験を深めるワークショップ。自分で捨てたとはいえモエレ沼公園に行って作品が見られなかったのは悔しかったので、モエレ組の人たちから作品についていろいろ聞けたのがよかった(伊藤隆介さんの『層序学』が評判よかったみたい)。