CEDECでのゼルダの伝説開発セッション

CEDECのタイムシフトは Video Speed Controllerで1.5倍速くらいにしつつで、10そこらくらいのセッションを観た。「キャラクターらしさ学習AI: 多数のキャラクターの個性や違いの可視化によるシナリオライティング支援システム事例」というセッションが面白かったらしいけど見逃しちゃった。とりあえずゼルダの伝説についてのセッションは全部ちゃんと聞けて(あと画面キャプチャなどとれて)よかった。

ワールドマップ制作のノウハウの話はもちろん面白かったんだけど、やっぱり一番衝撃的だったのは、ゲームエンジンに統合された(正確にいうとデバッグ版のゲームエンジンと接続された開発環境(「ゼルダエディタ」と呼ばれるゲーム内のすべてのアセットとデータを管理、制作支援する開発環境をすべての開発者が使用していたという)に統合された、かな)タスク管理システムを開発することが世界の磨き込みやゲームの完成に寄与した、これがなければ不可能だったという話だった。ゲームでもWebサービスでも開発のなかでなんらかの形でタスク管理システムを使用するのは普通のことだと思うけれど、開発する主体に密接なものとしてタスク管理(やその場にまつわるコミュニケーションシステム)を組み込んでいくアプローチというのはあまり聞いたことがない。そしてこれはもしかしたら、Wikiエンジン(江渡さんの『パターン、Wiki、XP』で示されたアレクザンダーのパターンランゲージから連なる文脈)に近い発想なんじゃないかな。ワールドマップ制作過程の話の中でも、制作途中のワールドに開発者がプレイヤーとして降り立ち、実際にその場を冒険し(デバッグ移動を使わず時間がかかってもキャラクターを実際に動かしながら)、その場の雰囲気や感覚を確かめながら地形や遊びを作り込んでいったというプロセスが語られていたけど、これもアレクザンダーのいう利用者(プレイヤー)参加型の建築手法に近いものかもしれない。

今回のゼルダの開発プロセスについては、CEDECのセッションでも扱われなかったものもあるっぽい(ゲームの要素のよい部分、悪い部分について匿名で投稿し、意見への賛否が可視化される掲示板があったとか →週間ファミ通2017年4月20日号『特集 開発秘話から紐解く新たな『ゼルダ』の姿』を読んだ)ので、誰か徹底取材して1冊の本にしてくれたりしないかな。