天野讓二『幻の未発売ゲームを追え! ~今明かされる発売中止の謎~』を読んだ

幻の未発売ゲームを追え! | 徳間書店


知らなかったけどゲームサイド(ほか)での連載をまとめたものだった。なるほど。未発売の殿堂入り的なゲーム(『スペースファンタジーゾーン』とか『神罰』とか)は扱えないんだな…と思いながら読んでいたんだけど、遠藤正二朗さん、宮内信子さんののメガCD版『銀河鉄道999』についてのインタビューがハイライト的におもしろく、なかなかいい本だったなと思いつつ読み終えた。未発売に終わったメガCD版『銀河鉄道999』についての遠藤さんの構想(『999』の原作漫画は停車する星ごとにトップダウンで奇妙なルールが強制されるという意味で「ゲームっぽい」ので、ゲームにするとおもしろいだろうと思っていた)や名言(「画面レイアウトの試行錯誤は『思考停止した者勝ち」みたいな面があって、考えるのをやめて作り込みに集中した方がゲーム全体のクォリティが最終的に担保される傾向がありましたね…」)、『銀河鉄道999』がらみのいい話(CVの録音スタジオに残っていた『999』専用のハンコをテープラベルに押してもらったとか)がたくさん入っていていいインタビューだった。

XBOXで発売予定だった『戦場の出前持ち』の顛末についてガビンさんとカツキさんが語っているインタビューもあるんだけど、このゲームのプロジェクトが走っていた頃はちょうどガビンさんに呼ばれて僕が助手業を始めたころだったので(内容についてはなんにも関わってないですが)ちょっとだけ関連するエピソードがあったりする。それはちょうどガビンさんの担当する2年生の授業がある日で、授業時間ぎりぎりに憔悴した様子で到着したガビンさんが「ゲームが…飛びました… ぜんぜん授業してる場合じゃないんだけどね…」と耳打ちしつつ教室に。そして最高に間の悪いことに、その日の授業には、先生がXBOX向けのゲームを作っていることを聞きつけた数人の学生が、ちょうどそのころUTがマイクロソフトとコラボして販売したXBOX Tシャツを揃いで着込んできており、ガビンさんにサプライズとばかりに見せつけてきたのだった。それ以上ないほどのサプライズのあったその日に。