NovelJam 2017のエントリー作を読んだ

NovelJam(ノベルジャム)|NPO法人日本独立作家同盟 on Strikingly


小説家と編集者、イラストレーターがチームを組み、2日間のスケジュール内で小説の企画、執筆、編集、発行および販売を目指すという世にも珍しいライブ書籍制作イベント「NovelJam(ノベルジャム)」というイベントが日本独立作家同盟(電子書籍時代のインディペンデントな作家活動を支援するNPO法人)主催で2月の頭に開催されていて、BCCKSは協賛企業としてイベントを支援していた(僕はスタッフとして参加できなかったんですが)。「執筆活動で音楽のジャムセッションのようにライブで生まれる体験を作れないか?」というような発想で生まれたと思われるNovelJamだけど、今の電子書籍環境ならば作家が会場に集まって作品を書いてコンテストして結果発表、というその場その時間の盛り上がりを「あれがもう今買って読めます! In Store NOW!」という形で読者側につなげられるはずで、今回はその試みのプラットフォームとしてBCCKSを使ってもらえてうれしい(BCCKSのストア配本サービスを使ってKindleをはじめとした各電子書籍ストアにも配信済み)。BCCKSの書店システムといういまいち活用されていない機能も、エントリー作や受賞作をイベント中に追加更新しながら結果発表書店を作るという形でフル活用できたみたい(もともとこういうコンテスト用途も見込んで開発された機能なのですよ…)。

NovelJam 2017 - Powered by BCCKS / ブックス

実際こういう趣旨でエントリーされた作品が並んでいるとじゃあまとめて読んでみようかという気持ちにもなってくるわけで(それが可能なエントリー数ということもあるけど)、今回は全作品を購入して読んでみた。二日間でゼロから書かれているので当然だけどどれもさっぱりとした短編で、普段なら読まないようなバラエティある小説をどんどん読めて楽しい。言いかたを変えると物足りない、割高ということにもなるけどそこは(少なくとも今回は)NovelJamという祭りに参加するチケット代と考えることもできるのかなと。電子書籍ではさくっと読めるシングル的な本がたくさん流通していくべきなのでは的な業界予測がされながらもいまいち定着していないわけだけど、こういうリアルイベントとのつながりというのは一つの解かもなと思った。

エントリー作のなかで一番好きだったのは『PAUSA』(澤俊之(著) 波野發作(編) 松野美穂(アートディレクター) 亀山鶴子(表紙デザイン・イラスト))かな。テーマである「破」にはあんまりつながってなかったのかなと思うけど読後感はとてもよかった。


PAUSA』 澤俊之(著) 波野發作(編) 松野美穂(アートディレクター) 亀山鶴子(表紙デザイン・イラスト)著

あともう一作挙げるなら『低体温症ガール』(ふくだりょうこ(著) 鈴木沓子(編) 亀山鶴子(表紙デザイン))が好きだった。短い作品ながら登場人物のキャラクターに触れたかんじがあって、このキャラクターたちの話がもっと読みたいといちばん思った。


低体温症ガール』 ふくだりょうこ(著) 鈴木沓子(編) 亀山鶴子(表紙デザイン)著