ゲンロンカフェ『佐々木敦 × 土居伸彰 アニメーション的想像力の現在:ノルシュテインから『この世界の片隅に』まで』を聴いた

アニメーション的想像力の現在:ノルシュテインから『この世界の片隅に』まで | ゲンロンカフェ


ゲンロンカフェ現地で拝聴。最初に土居さんの著書『個人的なハーモニー』の内容についての1時間にわたるかなり詳細な解説(佐々木さんが「急に学会発表っぽい雰囲気になってた」と言うくらいに)があり、そのあと自身が「アニメーションについてはまったくなにも知らない」という佐々木さんもたまたま観たという2016年の日本アニメ『君の名は。』『この世界の片隅の片隅に』あたりと本の内容との関連についてのトークになった。

『個人的なハーモニー』は僕は今読み途中だけど、どこを読んでも2016年のアニメ映画(土居さんは上記2作に加え『聲の形』も挙げていた)の内容と呼応するところがあり、実際「世界の片隅」という言葉は本の中でも使われている(土居さんは「売れるといいなと思って」入れたとおっしゃっていたけど、そもそもこうの史代作品が好きだということもあったとのこと)くらいなのだけど、でもこのタイミングでその関連を語るのはベタすぎるよねという感じもあるので、土居さんご本人からその件について聞けたのはよかった。土居さんとしてはとても勇気づけられる一方で、本来ひそやかなものとして受容されることしか考えられないような「個人的」なアニメーションと同質の要素が感じれる作品がだれも予想していなかったようなヒットになっている事態には恐ろしさも感じるとのこと。そりゃそうだよなー。他方でこのアニメーションの環境変化(とくに従来路線の個人制作のアニメーションを巡る状況は年々悪くなっているので)には対応する必要があるだろうとも。