中川大地『現代ゲーム全史』を読んだ

現代ゲーム全史  文明の遊戯史観から
中川大地
早川書房
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年末から読んでたんだけど読み終わらず、ようやく読み終えた。日/米のビデオゲーム産業史にとどまらず、つねに「時代の最先端」であったビデオゲームを通してその時代精神の移り変わりを浮かび上がらせ、さらには情報技術の展望からひらける人類の遊戯史の次の局面までをも夢想するところまでを語りきった大著。これだけの本を書くのにどれだけの研鑽が必要なんだろうか。著者の中川さんとは過去少しだけお話したことがあり(この本のあとがきで触れられているゲーム批評本の企画で声をかけてもらっていた)、その個人的な感慨からも拍手を送りながら読んだ。

大著なだけに少々力みが感じられるというか、それこそ超大作JRPG的な遊びのなさと胃もたれ感があったかな。この本でいちばん「これは!」と思ったところは松村正太郎が日本に持ち込んだ原子力・TV・プロ野球が、コンピュータ・テレビゲーム・野球盤(エポック社)に通じている! というアクロバティックな論だったので、いっそのことこういう自在なゲーム論を入れてもっとさらにボリュームを増した『現代ゲーム全史II』とかを期待したい!